ウェブで成果を出すには

ウェブで成果を出すためのノウハウを動画で公開



「選ばれる理由」を明確に

ウェブで売上や利益の向上といった成果を出すために考えないといけないのは、前頁で示したように商圏の垣根がなくなった超競争環境の中で、お客様の細分化された価値観やニーズに対し、ライバル企業よりも好ましい違いをつくって選ばれないといけません。

つまり次の2点が重要になります。



これを図に示すと次のようになります。


お客様の求める価値はそれぞれで、万人受けする商品でなく、固有の価値観をもって自分だけの商品を探しています。

その際に貴社と競合(ライバル企業)とを比較し検討します。

比較された際に好ましい違いを持たなくてはなりません。これが差別的優位点です。






従来、お客様(Customer)・自社(Company)・競合(Competitor)の関係図をそれぞれの頭文字をとって「3C」という考え方がありました。
私たちはこの3Cに、差別的優位点(Advantage)・求める価値(Benefit)の2つを加え、AB3Cという分析方法を用いています。
AB3Cが成立すると「選ばれる理由」があるということになり、これを消費者に伝えることによって初めて成果につながります。

これまでの差別化といえば、「岡山市の30代~40代ののミニバンを買う人」というような「商品」「客層」「地域」の絞り込みなどが中心でしたが、お客様が情報を得たこれからのネット社会は、お客様固有の求める価値によって細分化されたより細かいニーズの中で選ばれないといけません。

ここからはこのAB3C分析を使って、ウェブで成果を出すための「選ばれる理由」のつくり方をご説明します。


お客様が求める価値は何か

まず最初に考えないといけないのは、お客様の求める価値にはどういったものがあるかということになります。
先ほどの中古車販売店の例で、お客様の種類と求める価値を考えてみましょう。

人はなぜ車を買うのでしょうか?
車に求めている価値は、移動するということだけではないはずです。
人が求めているのは「車そのもの」でなく、得たい価値があってその手段として車を買っています。

例えば車をファッションの一部として考えている人もいます。  
週末に家族でキャンプや山登りなどのアウトドアを楽しむために車を買う人もいます。  
ペットと出かけるために車を買う人もいるでしょう。

これらは全て車を買う本質的な理由であり、求めている価値です。



例に挙げた週末に家族でキャンプや山登りを楽しんでいる人にとって、車を買う本当の理由は「アウトドアライフを楽しみたい」です。


このような人が中古車販売店に求めることはなんでしょうか?

まず考えられるのは、
・SUVやミニバンなどアウトドアに向いた車の情報の豊富さ
・店員さんがアウトドアライフに詳しい
などではないかと思います。

差別的優位点があるか

ではこのような価値を求めているお客様にとって、全国のライバル店と比較された際に、どういった好ましい違いを作ることができるでしょうか?

それはやはりお客様の求めている価値が出発点です。

このお客様が車を買う理由は「アウトドアライフを楽しみたい」であり、
・SUVやミニバンなどアウトドアに向いた車の情報の豊富さ
・店員さんがアウトドアライフに詳しい
などを求めているので、差別的優位点としてはこれに合ったものである必要があります。


ですから好ましい違いとしては、
・アウトドアに向いた車種を専門に展示している  
・店長がアウトドアでの車の使い方について詳しくアドバイスしてくれる  
・アウトドアグッズや関連カー用品の品揃えも豊富  
などがあると、大変喜ばれるのではないでしょうか。  

これらは他の一般的なライバル店と比べて好ましい違いであり、差別的優位点になります。



これをAB3Cの図に置き換えると下記のようになります。
一般的な中古車販売店と比べて、「選ばれる理由」のある中古車販売店ができました。



ネット競合とマネされにくさ

ですが、ご注意いただきたいのはネットの登場で商圏の垣根を越えて競合がいるということです。

例えばアウトドアに向いた車の情報だけであれば、ネットの記事やブログなどいくらでも参考にできるものがあります。
さらにアウトドアグッズやカーグッズにも個別の専門店がありますし、アマゾンや楽天でいくらでも売っています。

そして商品の品揃えだけなら、やろうと思えば簡単にマネができてしまいますし、こういった専門店が全国チェーンでできる可能性もあります。

店長のアドバイスという差別的優位点もありますが、これだけでは少し弱くなります。

ですから最も重要なのは、もっともっとお客様の求める価値を絞り込んで、簡単にはマネのできない、オリジナル商品・オリジナルサービスをつくって「選ばれる理由」をより強固にしていくということになります。

オリジナル商品・オリジナルサービス

オリジナルの商品やサービスとはどういったものでしょうか。
メーカーであれば競合他社がマネできないようなニッチな商品をつくるのも手ですが、中小規模の店舗の場合は予算も限られていますし、在庫リスクなども心配になると思います。  

そんな場合にお奨めなのは、オリジナルサービスの開発です。  


例えばこの中古車販売店の場合、店長が毎週のようにオートキャンプ(車を活用したキャンプ)を楽しんでいて、人に教えるのがとても上手だとします。
それなら、ターゲットを「オートキャンプを楽しみたい初心者ファミリー」に絞り込んで、サークル活動やイベントを主催するのはどうでしょうか。

もっとアウトドアを楽しみたいけど子どもが小さくて不安という方には喜ばれそうです。

こういった体験を伴う価値の提供はネットではできませんから、実店舗を活かした強みを発揮できます。

このようにより絞り込んだマイクロ市場を発見し、そのお客様の本質的に求める価値を理解し、モノ消費ではなくコト消費という目線でオリジナルサービスを展開すれば「選ばれる理由」がより強固なものになります。



「選ばれる理由」を伝えるのがホームページ

日本中の中古車販売店と比較した際に、近くにアウトドアカーライフを楽しむことのできるお店があれば、「選ばれるお店」となり、ネット検索やSNSなどを通じて、自然とお客様が集まってきます。

この様にAB3Cが成立している状態が「選ばれる理由がある」ことになります。
そしてこれらの特徴やメッセージをお客様へ伝えるのがホームページです。

ホームページやSNSなどのウェブ活用で成果を出す最も重要なポイントは、これらのAB3Cをきちんと考え、店頭やサービスに落とし込み、その価値をユーザーへ的確に伝えることです。



選ばれる理由をマーケティングの全てに

このようにネットとスマホの登場で消費者が情報を手に入れ、行動が変わったため、売る側もそれに対応しなければ成果を出すことが難しくなってきました。

これはお気づきのようにホームページの制作やSNSなどのウェブの活用だけの話ではありません。
店舗づくり、看板、営業トーク、品揃えなどマーケティングの全てに一貫して当てはめる必要があります。



ウェブで成果を出すには

いまウェブで成果を出すために必要なのは、単にホームページのリニューアルを検討することでも、新たにネット広告を出すことでもありません。

ネットとスマホの登場で変わった世界に対応するビジネスモデルを、もう一度練り直すことが最優先になります。
これができてからウェブの活用を行えば、自然と売上や利益の向上につながり、求める成果が出るようになります。

まずは貴社の「選ばれる理由」を再構築しましょう。​


ページ
上部へ