IT、Web、IoT、5G、AIなど、様々なキーワードが出てきている昨今ですが、こと中小企業のIT活用への対応は急を迫られていると感じます。
その理由はインターネットとスマホの登場による消費者の行動変化への対応、もう一つは深刻な人手不足です。
例えば経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討でもこう書いてあります。
企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること
ちょっと難しい言い方ですが、「顧客、市場の破壊的な変化」や「組織、文化、従業員の変革」という課題に対して、ITやWebといった新しい技術によって課題を解決したり、新しい価値を創出していこうということです。
そのあたりを踏まえ、私なりの考えを書こうと思います。
1.消費者の行動変化への対応
これはずっと言っていることですが、ネットとスマホの登場により、商圏の垣根がなくなりました。
ユーザーは自分だけの情報を手に入れ、地域の小売店や卸売りを通さず、遠隔地の商品やサービスを直接購入できるようになりました。
これを理解せず旧来のビジネスモデルのまま商売を続けても、時代の波には逆らえません。
消費行動自体が変わったことを受け入れ、自身のビジネスモデルも柔軟に変えていかないといけないのです。
2.人手不足
これは残念ながら簡単には解消しません。
これから益々人口が減少する中で、2025年には583万人の労働力不足というデータも出ています。
私の地元岡山市の有効求人倍率は2019年2月時点で2.39倍です。
つまり求人に対して、求職者は半分以下ということになります。
中小企業復活のカギはウェブの活用
このようにいま地方の中小企業は多くのマイナス要因を抱えていますが、悲観することはありません。
前述にもあるように、ITの活用でより良い方向に変化させればいいのです。
1.営業活動
まず最初に考えられるのは営業活動です。
今までは営業マンがそれを担っていました。
・集客
・お客様訪問
・商品の説明
・クロージング
・納品
・集金
これらの業務のほとんどはウェブの活用で解決できます。
大量の旧来の営業マンはもう必要なく、本来必要な専門的な提案などに限られた人材を集中することができます。
2.売上アップ・シェア拡大
ネットの登場で日本中の同業者が競合になりました。
しかし逆を言うと、日本中のお客様に自社の商品を提供できるようになったということです。
これはチャンスです。
大企業のような不特定多数向けのたくさん売れる商品でなく、ニッチだけど求められているような商品・サービスは中小企業の得意分野です。
私は地方の中小企業こそ、ネットを使って売上を拡大させるチャンスがあると考えています。
3.業務の効率化
今までFAXでやりとりをしていた受注業務、紙ベースで行っていた業務管理など、これらはいま安くて良いサービスがあふれています。
いままで人力で行っていた業務の大半は、こういったサービスを活用することで補えるのではないかと感じます。
4.テレワーク
私自身が在宅ワーカーですが、仕事のほとんどは自宅でできますし、アポがあって打ち合わせに出かけるのも週に数件です。
私が新卒のころに営業していた際には、1日に20件以上訪問していましたから、本当に考え方が変わりました。
今は無料のコミュニケーションツールがいくらでもあります。
仕事のほとんどはメール、チャット、電話で済みますし、遠隔地の方と打ち合わせする際にはZoomやSkypeなどで無料でテレビ電話会議ができます。
もちろん実際に会った方が良いのは間違いありませんし、アウトドアの好きな私などは逆に出かけたいくらいですが、出勤時間も満員電車のストレスもないですから、様々な事情で出勤が難しいスタッフを雇用するにはすでにインフラは整っていると思います。
世の中にピンチとチャンスの両面があるのは当然のことで、
このように中小企業のIT活用は、チャンスの創出のとてもいい機会になると考えます。