ウェブコンサルティングブログ

ホームページを作るのはもはや誰でもできます。

Wix・Googleサイト・ペライチなど、どんどん新しくて簡単なサービスが登場していますから、パワポを使えるくらいの人なら半日でサイトをつくれてしまいます。

おそらくこれからのホームページ制作会社は、ビジュアルデザインに重きをおいた会社か、こういったサービスを活用して気軽にサイト運営をする手助けをする会社かの、二極化が進むと思います。

でも、「どうやったら売れるか」という問いには誰も答えてくれません。
ではどうしたらいいでしょうか。



今まで多くのホームページ制作会社は「デザインをすること」が主な業務でした。
これは、ウェブデザイナーや制作会社の多くがグラフィックデザインや紙媒体のデザイン会社から派生していったので、当然といえば当然です。
クライアント側も綺麗なデザインを求めたので、この状態が長く成り立ってきたのではないかと思います。

しかし時代は進み、どのような規模の会社でも綺麗で見やすいホームページを持つのは当たり前の時代になりました。
さらに商圏の垣根を越えて、多くの競合と比較されるようになりました。
そうなると、ただ綺麗なデザインだけではもう成果が出なくなりました。

「誰のどんな課題を解決するか」「競合と比べて何が違うのか」という『選ばれる理由』なくして、もう成果は期待できません。

この最も重要な上流工程の部分は、いままでクライアント企業に委ねられてきました。
しかし経営資源の限られる中小企業には、これらの業務を担う専門人材はいません。
さらにインターネットの知識と戦略やマーケティングの知識を併せ持つ人材となると相当な実務経験が問われます。

一方、制作会社も良い会社であれば取材して原稿を作ることはしていたかもしれませんが、やはりメインはデザインをすることですので、この戦略の部分とそれを裏付ける調査・分析まで行っている会社はごく少数だと思います。

つまり、最も重要な工程が置き去りにされていたという背景があります。

これを外部の担当者として行うのが、ウェブコンサルタントであり、ウェブアドバイザーです。

例えば税理士や弁護士のように必要だけど社内で雇用するのは難しい専門的な人材は、一般的には外部に委ねていると思います。
ですから顧問税理士や顧問弁護士のように、「顧問ウェブ担当者」が必要な時代になってきたのではないかと考えます。

※ ウェブコンサルタント・ウェブアドバイザーに興味の有る方は、一般社団法人ウェブコンサルタント協会のホームページをご参照ください。



1月25日 ism代表の権成俊さんによる講演で”戦略的ネットショップリニューアル”のセミナーを開催しました。
テーマは次の2つでした。



① 戦略的ネットショップリニューアル

ネットショップに限らずウェブサイトを制作する前に考えないといけないのは、「どこの」「誰の」「どんな課題を解決するのか」というターゲットの設定。
そして、多くの競合と比較された際に差別的優位点がどこにあるか、無ければどう作り上げるかという戦略の部分です。

私たちはこれを3C分析で定義しています。
これを抜きにして、リニューアルの成功はあり得ません。

セミナーでは実際に成果をあげた事例をもとに、どのようにユーザーモデルを分け、求める価値と差別的優位点を定義し、それを実際のコンテンツに落とし込んでいくのかを学んでいただきました。
特にネットショップの場合は大型サイトになることも多く、ユーザーモデルが複数ある場合はすべてのページを見ていただくことは無理が生じます。

誰にどれを見せるかがポイントになります。

ですから、ユーザーがサイトを回遊する流れを考えて、お客様がサイトの中でどのような体験をし、実際の購入へとつながるのかという構造を設計しなければなりません。
このあたりも実際のサイトを元に、分かりやすいフレームワークをつかって解説していただきました。

② 3C分析の基本と裏付けとなる調査分析

3C分析で考える戦略の話を聞いていただいた方からよくご質問いただくのは、「やり方は分かったけど、具体的に自社に落とし込むのは難しい。どこから考えたらいいか」ということです。

発展途上の時代と違って、物余りで競合だらけの時代においては、「自社が売りたいものを売る」ではなく「お客様が求めているものを売る」のが基本であると考えます。
ですから3Cの出発点は、お客様を分けて考えるユーザーモデル化と、ユーザーモデルごとに異なる「求める価値」を探ることです。

そこでこれらの3Cを客観的に見るための調査・分析が必要になります。

調査方法には大きく分けて、定性調査と定量調査がありますが、多くのデータが数値化されるネットショップでは定量調査が中心になります。
セミナーでは具体的な実例をもとに、検索キーワード、購入率、購入単価などからどのように3Cを導いていったのかを学んでいただきました。

ちなみに一般企業のサイトであれば、調査分析は定性調査が中心になると思います。
定性分析は「お客はどう考えているか」「どんな課題を持っているか」といった考えの調査になります。

私は独立して起業する際に100人ヒアリングをしました。
これはウェブを活用したい企業がどんな課題を持っているのかを調べるためでしたが、このようなアナログで地道なやり方も必要になってくると考えます。

おわりに

このセミナーはism岡山支部としては最後の活動になります。
来年度からはismは一般社団法人ウェブコンサルタント協会に生まれ変わります。

私がismの岡山支部長をさせていただいた1番の理由は、この地元岡山を元気にしたいという考えからでした。

私は昨年4月に独立起業をさせていただいた際に、地域密着の道を選びました。
前職で得た知識や経験、人脈を活かして、他の都心部で活動する道もありましたが、私を支え育ててくださった地元の方々に貢献したいと考えたからです。
社名に「岡山」と入れたのはその決意の現れです。

いまインターネットとスマホの登場で、地方の中小企業はチャンスとピンチの両方に悩んでいます。
日本中・世界中に自らの商品やサービスを提供できるようになったこの時代は、逆に商圏の垣根を越えて競合が増すことを意味しています。

私は地方の中小企業こそインターネットを活用してビジネスを拡大させるチャンスがあると考えていますが、残念ながらほとんどの企業では、それが叶っていません。
どちらかというと競合の増加に悩まされる方が多いと見ています。

これから、もっと多くの事業者の方々と時間を共有し、悩み、ともに考えることによって、地域企業の発展、自身の研鑽、ひいては地元岡山の経済や未来に貢献したいと考えています。

来年度は形を変えて、皆さんにウェブ時代の新しい戦略「選ばれる理由」をつくるお手伝いをさせていただこうと思っています。

1年間の短い支部活動でしたが、誠にありがとうございました。
今後の活動にもどうぞご期待ください。


私は住宅情報誌の営業を10年、総合広告代理店の営業を10年と、キャリアのほとんどを広告会社で過ごしました。
独立する以前に勤務していた会社は日本最大のメディアグループの一員で、子会社とはいえ環境はとても恵まれていたと思います。
その環境を離れて、私が独立したのはいくつかの理由があります。

①本質的に求められていることは

広告代理店では、新聞などの紙媒体、テレビCM、イベント、ウェブと様々な経験を積ませていただきました。
時代の流れやニーズにあわせて、いろいろな企業のプロモーションのお手伝いをしてきましたが、衝撃だったのはネット広告との出会いでした。  
そのころはまだ、リスティング広告も一部のネットショップのみが活用しており、地方の一般企業はもちろん広告代理店の営業マンでさえ、知らない人が多かったと思います。
まさにブルーオーシャンだと考え、お客様にご提案すると大変喜ばれましたし、ネット広告はよく売れました。
しかし、本当の意味で成果を出すのは難しかったです。

その時に気づいたのは、私がしているのは紙がダメなら電波、電波がダメならネット広告と、広告商品だけを変えて提案しているということでした。
もちろん広告の中でより成果を出そうと、考えに考えて広告原稿をつくりましたが、それにはやはり限界がありました。
「広告を出したい」というお客様は広告を出したいわけではなく、本質的に求めているのは売上や利益といった成果です。
それに気づいた私は、本当に求められていることをしたいと考え、広告業から去りました。

②衰退産業と成長産業

私がメインで販売していた広告の一つに新聞などの紙媒体がありました。
下記のグラブは、各広告商品の売上構成を示していますが、例えば新聞広告は10年で約半分になっています。
これは残念ならが衰退産業です。
逆にネット広告はこの10年で3倍近くに成長しており、完全な成長産業です。


出典:サイバーエージェント:インターネット広告


このように商品やサービスには必ず寿命があり、そのサイクルは年々短くなっています。
こういった環境の中で、私は従来の紙や電波の広告という業界から離れて、いままで培ってきた経験をもとに、ウェブの業界にシフトさせました。

この様に、いま様々な業種・業界で変革が必要な時代となっています。
そろばんが電卓になり、パソコンになったように、
フィルムカメラがデジカメになり、スマホになったように、時代は常に変革しています。
そして今まさに、情報革命の真っただ中にいる我々の時代はチャンスの宝庫とも言えます。

変わる勇気さえ持てば、チャンスは巡ってくるとそう信じています。


今あらゆる業界でネットサービスが登場しています。
小売りで最もEC化率の高い「事務用品・文具」は40%近くがネットによる販売です。
金融や旅行といったサービス業においても、どんどん新しいネットサービスが登場しています。

今回は、この「ネットサービスとの競合」が多い業界と少ない業界で、その特徴と課題を整理してみました。
ネットサービスとの競合が多い業界は、商圏の垣根を超えたライバル企業が多い業界ということになります。

※ネット上の競合の量では有りません。あくまでもネットサービスが多いか少ないかが指標になります。
※ネットサービスが少ない業界でも、限られた商圏の中でネット上の競合はもちろんあります。



(1)ネットサービス競合がほぼ無い業種

▼特徴
直接手を動かす業種や施設などが多い。
リクルートなどのポータルサイトが多い業種。
ローカルエリアでの実競合が中心となるが、ポータルサイトやネット経由の申し込みなど間接的な競合もある。

▼課題
ポータルサイト依存が問題となり、いかに集客コストを下げて自社メディアで集客できるかが課題。

(2)ネットサービス競合が少しある業種

▼特徴
ローカルエリアでの実競合がありながら、大小のネットサービスが登場してきている。
士業や教育などの知的サービス業が多い。

▼課題
実競合はもちろん、ネット競合を意識して強みを発揮していくことが課題。
今後、ネットサービスとの直接的な戦いが増える可能性が高い。

(3)ネットサービス競合が多い業種

▼特徴
楽天が参入している業種がほとんど。
商品やサービスを仕入れて売る業種が多い。
ネットサービスと直接的な戦いとなる。

▼課題
ネットサービスとの差別化。
仕入れ商品・型番商品でなく、いかに自社オリジナルの商品・サービスを開発できるか。
自社のネットサービスへの参入。

(4)ガチンコ勝負の業種

▼特徴
当然ながらネットサービスと直接的競合となる。
ネットショップ単体の企業は、楽天などのポータルサイトを利用しているところも多い。
実店舗+ネットショップを運営している会社も多い。

▼課題
ネット広告赤字、ポータルサイト依存からの脱却が課題。
今後いかに広告予算をかけず、自社メディアで集客して販売するか。
どんどん増えるネットショップ・ネットサービスの競合に対して、どう差別化するか。


来年から小学校でプログラミング教育必修化と聞いて「プログラムの知識をそんな小さな子が?」と勝手に勘違いしていた私。

文部科学省のサイトによると「プログラミング的思考」という資質・能力を育てるということのようです。

◆「プログラミング教育」とは
子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、 時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育成するもの。コーディングを覚えることが目的ではない。

◆「プログラミング的思考」とは
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合 せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。

出典:新学習指導要領 (小学校及び中学校:平成29年3月告示) ~情報教育・ICT活用関連部分のポイント~

急激に進む世界のIoTに対して、大幅に不足しているIT人材を育成するという意味も、もちろん意識していると思います。

ですがそれより「現在の小学生の65%は大学卒業時に今は存在していない職業に就く」と言われている通り、将来どういった仕事をするのかわからないし、さらにその10年後にまったく違う仕事に転職する可能性も大きいわけです。

ですから、物事を考えるには手順があり、手順を踏むと物事をうまく解決できるといった、論理的に考えていく経験と力を身につけ、どういった時代でも変化対応して自ら切り開いていける人を育てるという意味が大きいようです。

私の場合はマスメディア広告の世界からウェブの世界へ。
そしてウェブ制作からネット広告ときて、ウェブコンサルティングと変化しました。

この時代においては「いかに変化に対応できるか」「自ら考え行動できるか」といった資質が問われるのではないかと思います。

平成最後の年。
昭和時代にできたビジネスモデルの多くが大きな転換期に来ている今も、イノベーションを起こせる人材は、このプログラミング的思考が必要なのかなと考えさせられました。


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