ウェブコンサルティングブログ - コラム

私は住宅情報誌の営業を10年、総合広告代理店の営業を10年と、キャリアのほとんどを広告会社で過ごしました。
独立する以前に勤務していた会社は日本最大のメディアグループの一員で、子会社とはいえ環境はとても恵まれていたと思います。
その環境を離れて、私が独立したのはいくつかの理由があります。

①本質的に求められていることは

広告代理店では、新聞などの紙媒体、テレビCM、イベント、ウェブと様々な経験を積ませていただきました。
時代の流れやニーズにあわせて、いろいろな企業のプロモーションのお手伝いをしてきましたが、衝撃だったのはネット広告との出会いでした。  
そのころはまだ、リスティング広告も一部のネットショップのみが活用しており、地方の一般企業はもちろん広告代理店の営業マンでさえ、知らない人が多かったと思います。
まさにブルーオーシャンだと考え、お客様にご提案すると大変喜ばれましたし、ネット広告はよく売れました。
しかし、本当の意味で成果を出すのは難しかったです。

その時に気づいたのは、私がしているのは紙がダメなら電波、電波がダメならネット広告と、広告商品だけを変えて提案しているということでした。
もちろん広告の中でより成果を出そうと、考えに考えて広告原稿をつくりましたが、それにはやはり限界がありました。
「広告を出したい」というお客様は広告を出したいわけではなく、本質的に求めているのは売上や利益といった成果です。
それに気づいた私は、本当に求められていることをしたいと考え、広告業から去りました。

②衰退産業と成長産業

私がメインで販売していた広告の一つに新聞などの紙媒体がありました。
下記のグラブは、各広告商品の売上構成を示していますが、例えば新聞広告は10年で約半分になっています。
これは残念ならが衰退産業です。
逆にネット広告はこの10年で3倍近くに成長しており、完全な成長産業です。


出典:サイバーエージェント:インターネット広告


このように商品やサービスには必ず寿命があり、そのサイクルは年々短くなっています。
こういった環境の中で、私は従来の紙や電波の広告という業界から離れて、いままで培ってきた経験をもとに、ウェブの業界にシフトさせました。

この様に、いま様々な業種・業界で変革が必要な時代となっています。
そろばんが電卓になり、パソコンになったように、
フィルムカメラがデジカメになり、スマホになったように、時代は常に変革しています。
そして今まさに、情報革命の真っただ中にいる我々の時代はチャンスの宝庫とも言えます。

変わる勇気さえ持てば、チャンスは巡ってくるとそう信じています。


今あらゆる業界でネットサービスが登場しています。
小売りで最もEC化率の高い「事務用品・文具」は40%近くがネットによる販売です。
金融や旅行といったサービス業においても、どんどん新しいネットサービスが登場しています。

今回は、この「ネットサービスとの競合」が多い業界と少ない業界で、その特徴と課題を整理してみました。
ネットサービスとの競合が多い業界は、商圏の垣根を超えたライバル企業が多い業界ということになります。

※ネット上の競合の量では有りません。あくまでもネットサービスが多いか少ないかが指標になります。
※ネットサービスが少ない業界でも、限られた商圏の中でネット上の競合はもちろんあります。



(1)ネットサービス競合がほぼ無い業種

▼特徴
直接手を動かす業種や施設などが多い。
リクルートなどのポータルサイトが多い業種。
ローカルエリアでの実競合が中心となるが、ポータルサイトやネット経由の申し込みなど間接的な競合もある。

▼課題
ポータルサイト依存が問題となり、いかに集客コストを下げて自社メディアで集客できるかが課題。

(2)ネットサービス競合が少しある業種

▼特徴
ローカルエリアでの実競合がありながら、大小のネットサービスが登場してきている。
士業や教育などの知的サービス業が多い。

▼課題
実競合はもちろん、ネット競合を意識して強みを発揮していくことが課題。
今後、ネットサービスとの直接的な戦いが増える可能性が高い。

(3)ネットサービス競合が多い業種

▼特徴
楽天が参入している業種がほとんど。
商品やサービスを仕入れて売る業種が多い。
ネットサービスと直接的な戦いとなる。

▼課題
ネットサービスとの差別化。
仕入れ商品・型番商品でなく、いかに自社オリジナルの商品・サービスを開発できるか。
自社のネットサービスへの参入。

(4)ガチンコ勝負の業種

▼特徴
当然ながらネットサービスと直接的競合となる。
ネットショップ単体の企業は、楽天などのポータルサイトを利用しているところも多い。
実店舗+ネットショップを運営している会社も多い。

▼課題
ネット広告赤字、ポータルサイト依存からの脱却が課題。
今後いかに広告予算をかけず、自社メディアで集客して販売するか。
どんどん増えるネットショップ・ネットサービスの競合に対して、どう差別化するか。


来年から小学校でプログラミング教育必修化と聞いて「プログラムの知識をそんな小さな子が?」と勝手に勘違いしていた私。

文部科学省のサイトによると「プログラミング的思考」という資質・能力を育てるということのようです。

◆「プログラミング教育」とは
子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、 時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育成するもの。コーディングを覚えることが目的ではない。

◆「プログラミング的思考」とは
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合 せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。

出典:新学習指導要領 (小学校及び中学校:平成29年3月告示) ~情報教育・ICT活用関連部分のポイント~

急激に進む世界のIoTに対して、大幅に不足しているIT人材を育成するという意味も、もちろん意識していると思います。

ですがそれより「現在の小学生の65%は大学卒業時に今は存在していない職業に就く」と言われている通り、将来どういった仕事をするのかわからないし、さらにその10年後にまったく違う仕事に転職する可能性も大きいわけです。

ですから、物事を考えるには手順があり、手順を踏むと物事をうまく解決できるといった、論理的に考えていく経験と力を身につけ、どういった時代でも変化対応して自ら切り開いていける人を育てるという意味が大きいようです。

私の場合はマスメディア広告の世界からウェブの世界へ。
そしてウェブ制作からネット広告ときて、ウェブコンサルティングと変化しました。

この時代においては「いかに変化に対応できるか」「自ら考え行動できるか」といった資質が問われるのではないかと思います。

平成最後の年。
昭和時代にできたビジネスモデルの多くが大きな転換期に来ている今も、イノベーションを起こせる人材は、このプログラミング的思考が必要なのかなと考えさせられました。



日本のEC化率(全売上に対するネット販売の割合)は右肩上がりで増えています。
先日ある調査で2017年のEC化率を調べましたが、事務用品・文房具の約40%はネットで買われているという事実。
家電製品も約30%です。

地方のお店にとって、今までの商圏は限られていました。
私の暮らす岡山市なら、商圏は市内中心部とか、中区のこの辺りとか、だいたいの商圏は決まっていました。

しかしネットとスマホができてその垣根は無くなっています。
お店は全国のユーザーに商品やサービスを提供できるようになりました。
逆にライバルも格段に増えたのです。

商品の40%をネットで買う時代。
あなたのお店がお客様から選んでいただくには、何が必要でしょうか?



続いて上記は2017年のサービス業のEC化の伸び率です。
やはり飲食店や理美容の伸びがすごいですね。
これはネット予約が増えているからと思われます。
ネットを見てTELするのは含まれてないでしょうから、これを入れるともっとだと考えられます。

あとは旅行業界のEC化はご想像の通り早いです。
ホテルの予約や旅行の手配はネットでされる方も多いのではないでしょうか。

※サービス業のEC化率の数字は資料にはありませんでした。

※出典:経済産業省「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)


今、日本の人口構造が大ききく変わってきていますよね。
人口構造が変わると、世の中のニーズも変わるので、イノベーションの機会は増えてきます。
少子高齢化。今の日本は全人口のうち高齢者が21%を超える「超高齢社会」です。


右のグラフは、岡山県の人口構造を示したものです。
現在はご存知のように団塊世代(1947年~1949年生まれ)と、私のような団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)がとても多い構造になっています。

これから益々高齢化し、20年後に一番多い世代は60歳代となります。
また、日本の人口がどんどん減っていくことは周知の事実だと思います。
ですから、商品やサービス・消費の考え方は、これらを意識したものと変化しています。

出典:岡山県統計分析課こども向け統計サイト


左のグラフのように、一般的には介護事業やシニア向けサービスなどが考えられます。
儲かるかどうかは別の話ですが、市場規模が増えているのは間違いありません。

出典:みんなの介護


面白いのが、意外にもネット通販も実は中・高齢者が支えているということです。
右の表のように、インターネット利用者に限定すると、実は20代・30代よりも、50代・60代のほうがネットショッピングを活用していることが分かります。

出典:総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)

詳しくは省きますが、「安さ・品揃え」といったニーズは若年層。「出かけなくていい」「重い荷物を持たなくていい」といったニーズがあるのが高齢者(子育てママも)と言われています。

小売り以外のサービス業においても、お年寄りが「今、ホームページを見とるんじゃけど・・・」と電話してこられるケースが、とても増えています。

つまり人口構造の変化は、買い物ニーズの変化にも直結する可能性が高いと考えます。

これから10年先、20年先を見据えて、どのような方々に、どのような価値を提供するのかを考えるのが、戦略でありイノベーションへのチャレンジとなります。

ちなみに、人口構造はエリアによって異なりますので、地域密着型のビジネスをされている方は注意が必要です。
極端な例ですが、下記のグラフのように、東京都と岡山市と鏡野町では、この年齢構成が全く違います。
人口構造・年齢構成の変化は、あらゆる商品・サービスにニーズを生み出します。
社会ではどのような問題点(=機会)が生まれようとしているのかを見極めるのが、イノベーションの第一歩です。


ああああああ


ページ
上部へ