ウェブコンサルティングブログ


広告代理店「消滅」か「進化」か。AI時代を生き抜くための軍師への脱皮
【第3回】戦略の「型」を知る。AB3C分析との出会い

セミナー終了後、彼は意を決して先生の元へ駆け寄った。
「先生、私のクライアントに、贈答用果物を売る小売店の社長がいます。AIに負けない、戦略の立て方を教えてください」
先生は少し微笑むと、彼をカフェへ誘い、真っ白なノートに5つの箱を描いた。
自社(Company)
顧客(Customer)
競合(Competitor)
差別的優位点(Advantage)
求める価値(Benefit)
「これが、AIを右腕にして戦略を立てる最強の型、『AB3C分析』です。みんな『自社の強み(スペック)』から考えようとする。でも、AI時代はそれじゃ勝てません。スペック競争はAIにコピペされて終わります」
先生の目が鋭くなった。
「人間がやるべきことはシンプルです。顧客が求める隠れたベネフィットを見つけ出し、自社がまだ気づいていない強みと掛け合わせる。そして、競合と比較した際のアドバンテージ(差別的優位点)を作り出す。これこそが最も重要なのです」
「AIに魔法の答えを聞くのはやめましょう。AIはあくまでも思考の『拡張ツール』です。隠れたベネフィットとアドバンテージを作り出すこと。この2つを明確にすることこそが、戦略コンサルティングの核になるのです」
初めて知る戦略の「型」。彼はノートを見つめながら、静かに武者震いを感じていた。

【解説:第3回】
AI時代における「AB3C分析」の重要性。自社のスペック(機能や品質)をアピールするだけでは、AIに簡単に模倣され、単なる価格競争に陥ります。人間がやるべきは、顧客の求める隠れたベネフィットを見つけ出し、自社のまだ気づいていない強みと掛け合わせ、競合と比較した際の差別的優位点を作り出すことです。
(第4回につづく)
※「AB3C」は一般社団法人デジタル経営革新協会が特許庁に登録している商標です



広告代理店「消滅」か「進化」か。AI時代を生き抜くための軍師への脱皮
【第2回】作業はAIに代替される時代。必要なのは戦略
「……社長に言われたよ。『AIがあるから、君の作業はいらない』ってさ」
独立して自らの会社を立ち上げたかつての先輩を居酒屋に呼び出し、彼は自嘲気味に呟いた。しかし、返ってきたのは慰めの言葉ではなく、冷や水を浴びせるような一言だった。
「お前、まだ『アクセス数』なんていう架空の数字を客に売ってるのか?」
「え……?」
「いいか。AIが数秒で最適解を出し、綺麗なホームページさえ一瞬で作ってしまう時代に、人間が『作業』や『数字』を売ってどうする。俺たちが売るべきなのは、そんな簡単に代替される安いものじゃない。社長が本当に求めているのは、箱(サイト)やアクセスじゃなく、『どうすれば自社が選ばれるのか』という勝ち方の答えだ」
先輩はドンと一冊の本をテーブルに置いた。
「週末、この著者のセミナーに行け。お前の仕事がなぜ『価値ゼロ』と言われたのか、その答えが全てそこにある」
数日後、セミナーの壇上に立った「先生」は、彼の想像を超える言葉を放った。
「『AIに仕事を奪われる』と怯えるのは、今日で終わりにしてください。皆さんは、現場の泥臭い事実を知っている。その一次情報に勝る『最高の指示(プロンプト)』を、AIは自ら生み出せません」
魔法の杖(AI)を恐れるな。あなたたちは、その杖を振るうための圧倒的な特権をすでに持っているのだから——。
その言葉は、薄暗いトンネルでもがいていた彼にとって、強烈な一筋の光だった。

【解説:第2回】
なぜ「作業」は価値を失うのでしょうか。AIがデザインもコーディングも一瞬でこなす時代、「綺麗なサイト」自体の価値はゼロに近づきます。経営者が本当に求めているのは、アクセス数という数字の報告ではなく、「どうすれば自社が選ばれて、売上が上がるのか」という戦略(勝ち方)の提示なのです。
(第3回につづく)



「アクセスは順調に増えてるんだけどね……。でも、一向に問い合わせが来ないんだよ」
地元で贈答用の高級果物を扱う小売店の社長が放ったその一言に、38歳のアカウントディレクターである彼は、返す言葉を失った。
先月納品したばかりのホームページは、デザインも洗練され、AIを活用して記事も書き上げ、最新のSEO対策も施した。彼が自ら設定したネット広告も、狙い通りにクリックを稼いでいる。数字(データ)は嘘をつかない。アクセス数は確実に伸びているのだ。
だが、肝心の「売上」に繋がらない。
沈黙に耐えかねて言い訳を探そうとした彼の口を、社長の次の一言が完全に塞いだ。
「それにさ、これからのネット広告はAIで誰でも簡単に回せるらしいじゃない? ホームページ制作自体も、AIを使えば素人でも簡単に作れるって聞いたし。悪いけど来月からは、うちのパソコンに詳しい若いスタッフにAIを使わせて、自社でやってみようかと思ってるんだ。今までありがとうね」
「……」
丁寧な挨拶をして店を出たものの、5月の生温かい風がひどく冷たく感じられた。
テレビや新聞といったマス広告の時代から揉まれ、ネット広告の運用も誰より早くキャッチアップしてきた自負はある。だが、自分が汗水垂らして売ってきた「綺麗なホームページ」と「広告の運用代行」は、クライアントにとって、あっさりと自社スタッフとAIに代替される「作業」でしかなかった。
彼は冷や汗とともに、一つの残酷な真実に気づき始めていた。
「俺は、一体何を売っていたんだ……?」

【解説:なぜアクセスは増えても売れないのか?】

今回のストーリー、他人事だと思えるでしょうか。
広告代理店や制作会社の営業マンが陥る最大の罠が、ここに凝縮されています。
素晴らしいデザインを作り、AIを駆使して素晴らしい文章を作り、SEOや広告でアクセスを集める。
これはあくまで「戦術(やり方)」です。しかし、そもそも「よそと比べて、うちの何が優れているのか」「結局、お客さんにどんな良いことがあるのか」という、商売の根幹である『中身』を、代理店側もクライアント側も、そしてAIも誰も深く考えていなかったのです。
AIや社内の若手スタッフが簡単に代替できてしまうのは、この「箱作り」と「人集め」の作業だけです。
「とりあえず綺麗なサイトを作りましょう」「広告を回しましょう」。
この言葉から入る提案は、もうすぐ価値がゼロになります。
広告代理店の営業マンがこれから生き残るために必要なのは、綺麗な箱を作ることではありません。経営者の隣に座り、「あなたの会社の本当の強みは何か」を一緒に言語化し、泥臭くビジネスの根本を組み立て直す「戦略」の力なのです。
では、AIに代替されない「戦略家」への道は、どこにあるのか。
次回、どん底に落ちた彼に転機が訪れます。
(第2回へ続く)


先見倍歴という考え方がある。
これは「過去30年間の進化と同じだけの変化が未来の15年で起こる」というもの。
過去30年の最も大きな変化は最も大きな変化はWindowsの登場、スマートフォンの登場、ネットとSNSによる情報の民主化。
これらと同じだけの変化が今後15年で起こるとすると、やはり AIエージェントの浸透であると考える。

ユーザーは自分だけのAI(すなわちマイAI)を持つようになり、そのAIエージェントはユーザーの価値観にぴったり合った商品やサービスを探してくるようになる。
そういった時に、企業がマーケティングで考えることは、AIに好かれるように技術的な施しを行うこと(すなわちSEOと同等の考え方)が流行すると思われるが、恐らくそれはすぐに陳腐化しすると考える。

こういった時代に最も行わないといけないのは、ユーザーの細かなベネフィットを分析し、消費者の一人ひとりにマッチした商品やサービスの提供。
そして、他の競合商品と比較したときの差別的優位点を明確にすることに尽きる。




『GoogleのAIオーバービューが最も参考にしているソースはYoutube』
これはおそらくE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を重視するSEOの考え方も関係しているのだと思われます。
一次情報としての経験や信頼性はテキストコンテンツよりも高いからでしょうね。
これからのAIマーケティングやAIO(AIのSEO)に、Youtubeの運用はさらに重要なカギとなりそうです。


最近の投稿

ページ
上部へ