広告代理店「消滅」か「進化」か。AI時代を生き抜くための軍師への脱皮
【第5回】スペック競争に陥らない、差別的優位点の発見
真のベネフィットを発見した彼は、すぐさまAIに向かって【競合分析】の相談を持ちかけた。
「AI、ちょっと贈答用フルーツを売ってる大手のECサイトを一緒に分析してみてくれない?」
画面に並ぶライバル店のサイトはどれも洗練されている。しかし、訴求しているのは「鮮度」「糖度」「産地直送」といった【スペック(品質・機能)】ばかりだった。
彼は思わず、画面の前でニヤリと笑った。
「勝てる……! 競合はどこも『贈る側』に向けてスペックを叫んでいるだけで、『受け取る側』の不安を解消するコンテンツが一切ないね!」
先生の言葉が蘇る。隠れたベネフィットと自社の強みを掛け合わせ、競合と比較した際の差別的優位点を作り出せ。
競合がスペックばかりを叫んでいる今、果物の状態を見極める目利きという自社の強みを活かし、受け取る側の痛みに徹底的に寄り添うこと。これこそが、大手には絶対に真似できない自社の圧倒的な『アドバンテージ(差別的優位点)』になる。
スペック(やり方)から、体験(勝ち方)へ土俵を変える。
ついに、太い一本の「戦略」が完成した瞬間だった。
【解説:第5回】
「やり方(スペック)」から「勝ち方(体験)」へのシフト。競合がスペックばかりを叫んでいるレッドオーシャンで戦うのではなく、競合がカバーできていない顧客の痛みに、自社の強みを掛け合わせて徹底的に寄り添う。これこそが、資本力のある大手がすぐには真似できない、圧倒的なアドバンテージ(差別的優位点)となります。
(第6回へとつづく)
