自動車業界のDXとイノベーションのジレンマ

先日、所属する某経済団体で先輩が言っていたお話しです。
トヨタ自動車はこれから電気自動車が主軸になる世の中で、ハイブリッド車から抜け出せないのは、ガソリンエンジン製造の関係会社があまりにも多いから。
下請け、孫請け、部品製造の会社も含めると自動車産業というのは国内屈指のすそ野の広さを持つ産業。
分かっていてもやめられない。
変わらないといけないのは分かっているけど、変われない。。。

自動車産業のDXが進んでいることはこれまで私もいろいろなところでお話ししていると思います。
ガソリンエンジンがモーターになれば、その部品点数は大幅に減り、それに携わる企業はその影響をもろに受けます。
また特別なテクノロジーを持つ新規参入者が増えつつ、パーツを組み立てるだけで出来上がるようなパソコン市場のようになるでしょう。
私の住んでいる岡山県も三菱自工の工場があることもあって、とても自動車関連工業の多い地域柄ですからその影響は必至です。

また、自動運転が本格化すれば、運転免許の教習所や自動車保険はその存在価値を問われますし、カーシェアリングが広がれば、カーディーラーも厳しくなってくるでしょう。
岡山ではどのトヨタ自動車のディーラーに行っても全車種を購入できるようになりました。
これはこのDXによる大変革をにらんでの準備がすでに始まっているということだと思います。

そのような中でも、例えば損保ジャパンなどではこれからの自動車保険のあり方などをすでに検討されているようですし、ある自動車教習所では産業用ドローンの教習を始めるなど、自動車関連の周辺業界のDX対応は各社進んできています。

ただ、前述のトヨタ自動車のように、おそらく大企業ほどこのイノベーションのジレンマに陥り、変革のスピードを早めることができないのではないかと思います。
DXやイノベーションというのは個人の勝手ではできないからこそ難しい。

それでも私たち中小企業者は、経営者の覚悟一つで変革のスピードを早められる柔軟性を持っています。
DXを進めるうえで必要なことはこの「覚悟」に加えて3つ。

①新しい時代にあった提供価値の変革である「新戦略」
②どのようにそれを順序だてて体系的に進めるかという「システム」
③最後にそれを考え行動に移す「組織」

唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者です。
変化を恐れず、前進していきましょう!


ページ
上部へ