流通とは商品を製造するメーカー、その商品を消費者に販売する小売、その中間を取り持つ卸売といった販売の一連の流れのことを言います。
流通のデジタル変革で、おそらく一番わかりやすい話は小売のEC化すなわちネットショッピングだと思います。
今まで家具屋さんなどの地域の小売店は市内の数店舗がライバルでした。
しかしインターネットができたことにより日本中の同業者がライバルとなり、いまやAmazonや楽天のような世界的企業とも戦わないといけません。
今までの商圏という垣根がなくなったのです。
日本の小売のEC化率(日本の全売上のうちネットで買われた割合)は以下のようになっています。
日本でEC化が最も進んでいるのは事務用品や文房具で約40%です。
次に書籍や家電・PC関連用品などは約30%となっています。
つまりこれらの3人に1人もしくは三つに一つはネット通販で買われているということです。
街から書店がなくなったという話はよく耳にするのではないでしょうか。
このように既存市場を破壊するようなイノベーションが起きた現在、地域の小売店はどのように対応したらいいでしょうか。
まず一つは自身のネットショップへの参入です。
年々EC化は進んでおり、なにより全国の見込み客へ販売できると言う魅力は大きいと思います。
ただし最も注意しないといけないのはライバルも日本中に存在するということです。
そこではもし他社と似たような商品もしくは仕入れ商品を販売するとなると、中身はほぼ同じということになり価格だけで比較されてしまいます。
つまりそこでは価格以外の「選ばれる理由」が必要となります。
二つ目はインターネットを活用した集客などのマーケティング活動です。
これは既に多くの方が活用されていると思いますが、ホームページや SNS などを使い実際の店舗に誘引をするというやり方です。
ただしこれも結局はライバルが日本中にいる訳ですので、何らかの差別化をしないといけないのは言うまでもありません。
結果的には今までと同じ価値の提供方法では厳しく、他にない新商品を開発するか、オンリーワンのサービスを開発するかしか道はありません。
次にメーカーと中間流通である卸売業者のお話です。
D2Cという言葉が生まれたように、いまやメーカーが直販エンドユーザーに販売することは難しくなくなりました。
家電のような工業製品はもちろん野菜や海産物などといった第1次産業も簡単に直接販売が可能となっています。
そういう意味ではメーカーはとてもチャンスの広がる時代になったと言えます。
市場は一気に広がり新たなユーザーと出会う機会も増えますのから、よりニッチな商品を展開して、マイクロ市場を狙う差別化戦略が有効になります。
ただし、逆に今まで取引先であった卸売会社や小売店がライバルになってしまうことも懸念されます。
これは直販用の商品を開発するなど、新たな取り組みが必要となってきます。
逆にそうなってくると卸売業者の存在価値が問われます。
卸売業者は単に商品を厳選して橋渡しをするだけではなく、メーカーや小売店に対してどのような価値を提供すると選ばれるのか考えなければなりません。
また下請けを中心としていた製造業にとってこれは大きなチャンスと言えます。
下請依存から脱却し自社オリジナルの製品をエンドユーザーに直接販売したいと考えている会社も多いのではないでしょうか。
このようにピンチの裏には必ずチャンスがありますので、それを活かそうと前向きに考えられた方がいいと私は考えています。
私が今の仕事を志したのは、自身のデジタル変革における経験と失敗を世に伝えたいと思ったのがきっかけです。
私は住宅情報誌・新聞社系の総合広告代理店の営業マンとして約20年、そのキャリアのほとんどを広告業界の会社員として過ごしました。
住宅情報誌の営業を行なっていた2000年代は数多くのインターネットサービスが登場し、私が扱っていた住宅情報誌や求人情報誌などはあっという間に紙媒体からインターネットに置き変わっていきました。
また総合広告代理店勤務のころは2009年にネット広告が日本の新聞広告の販売額を抜くなど、インターネットを活用したマーケティング活動がますます盛んになってきた時代です。
そのような中、私はネット広告の存在を知り、これを販売しようと色々と調べましたが、当時そのノウハウを持っている同僚も知人も誰もおらず、書籍を買ったりネットサービスが提供する学習プログラムを活用したりしながら、ほぼ独学でそれを学んでいったのをよく覚えています。
当時マス広告の衰退とネット広告の急成長を目の当たりにする中で、大きな危機感を持ちながら自分なりにどう変わって行けばいいのか模索をしていたのですが、自身の経験も知識も低い中で、ただただ目の前の課題に対応していただけのように思います。
その後ネット広告はだんだんと世の認知度もあがって行き、私もお客様のニーズに合わせながら様々な種類のネット広告やウェブマーケティングの施策を行って行くことができるようになってきました。
その頃、周りの同僚にも ネット広告の販売やウェブマーケティングの扱いを奨めたり、当時の社長に依頼されて特別チームをつくって社内研修を行ったり、進むデジタル変革に対応すべく色々な社内改革にも着手するようになってきました。
しかし多くの同僚に私の話は理解してもらえませんでした。
今から考えると同僚にとって私はただのめんどくさい人間だったのかもしれません。(苦笑)
それから時代は進み、あらゆる企業においてインターネットの活用が重要だと考えられるようになりましたが、私は逆に単なるネット広告を販売するだけのやり方に限界を感じるようになりました。
それは、市場の垣根がなくなった中で、どれだけ広告の種類を変えて集客だけをしても、元となる商品が他社とそこまで大きく変わらないものであれば、結局は価格勝負になってしまうということを目の当たりにしたからです。
それで、もっと根本的な提供価値(商品やサービス)の変革まで携わるように仕事のやり方を変えていきました。
お客様と同じように自社も根本的な商売の有り方や考え方をから見直さないといけないということを社内にも訴え続けましたが、残念ながらそれも理解してもらえるのはほんの一握りの人だけでした。
振り返ってみると、私の社内変革のやり方は段取りも準備も不十分で、「なんでみんな分かってくれないんだ」という自分の気持ちだけで行動していて、それが伝わりきらなかった大きな原因であったと思います。
今になって冷静に考えることができるようになると自分自身にも落ち度が多かったですし、いまなら違ったアプローチができると思っています。
しかしその当時はもどかしい毎日の中で、私はもうこれ以上会社を変えることは無理なのだと独立を考えるようになりました。
それは、こういった変革は「それを求めている企業」に対して提供した方が双方にとって健全だと思ったからです。
もちろん考え方は人それぞれなので「変わる」という選択肢が全てにおいて最適とは思っていません。
しかし私と同じように変革の時代において「変わりたい」「変わらなければならない」と考える企業にとって、私のこれらの経験と失敗は必ず活きると考えています。
会社員時代は好き勝手させていただきましたし、色々と勉強をさせていただき本当に感謝していますが、今でも残念なのは仲間たちの気持ちを変えることができなかったということです。
これはもう叶えることはできませんが、これからは外部の変革アドバイザーとしてクライアント企業にその価値を提供していきたいと考えています。
これからの未来を見据えながらチャレンジする企業とともに歩んでいき、その変革のお役に立つことが私の新たなミッションです。
上記のランキング表を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
平成元年の株式時価総額と平成30年の時価総額のランキングをに比べると一目瞭然ですが、あれだけ上位を独占していた日本の企業は現在その影を潜めてしまい、 代わりに台頭してきているのが米国や中国のIT企業であることは言うまでもありません。
GAFAなどといった言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
※GAFA・・・Google、Apple、Facebook、Amazon
このように日本の得意分野であったものづくりや金融といった産業が、いまことごとく衰退してしまっていいます。
この要因となったのが IoT や Web などといったいわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)とよばれる「デジタル変革」なのです。
経済産業省もデジタルトランスフォーメーションに関するガイドラインを発表し次のように記しています。
あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。
こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーションをスピーディーに進めていくことが求められている。
「新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。」
この代表格がGAFAなどであり、この対応が遅れているのが日本の企業が衰退している大きな要因です。
このデジタル変革(デジタル化)は様々な産業で進んでいますが、これには順番があると言われています。
最初に入ったのは電気です。
カメラやがデジカメになり、オーディオプレーヤーはiPodなどのデジタル音楽機器に取って代わられました。
テレビもプラズマ・液晶など大型化が進みましたが、 今では iPhone など小さな画面で定額制で好きな動画を楽しんでいる人も大変多くなりました。
次に流通と言われています。
これはピンと来る方は多いと思いますが、 今や文房具などの事務用品の EC 化率(全売上のうちネット購入の割合)は40%を超え 、書籍や家電なども30%を超えています。
このようにいま地域の小売店やデパートなどは大変大きな苦境に立たされています。
街から本屋さんがなくなったという話もよく耳にするのではないでしょうか。
またメーカー直販が進んでいるのも大きな特徴です。
3番目はメディア・広告です。
これは私が以前にいた業界なのでよくわかるのですが、テレビや新聞などといった既存のマスメディアはYoutubeやネットニュースに取って代わられました。
また広告もインターネット広告が2019年にテレビCMを抜いて一位となり、そのシェアをさらに拡大しています。
私の地元岡山で大きな産業となっている印刷業や製本加工業の衰退も大きなニュースとなっています。
次が金融です。
これは現在進行形のお話だと思いますが、メガバンクのリストラが大きなニュースとなり、これからは地方銀行の統合が進むと言われています。
またネット保険の台頭などにより、保険代理店同士の合併も進んでいます。
今大きなニュースとなっているのが自動車です。
電気自動車や 自動運転の技術などが進み、メーカーはもちろん関連部品を製造している会社はこれから大きな影響を受けていくと言われています。
またカーシェアリングなどが進み、販売台数自体も減少していく可能性が大きいです。
実は自動車は国内において最も裾野が広い産業と言われています。
例えば、EVが主流になる中でガソリンスタンドはどのように価値の提供をしていったらいいでしょうか?
また、自動運転によって運転免許が不要になる可能性がありますし、自動車保険の必要性もかなり薄れてきます。
これからは士業などの知的な特別職も、役所手続きの電子化や AI の台頭によってその仕事が減少していく可能性も大いに語られています。
このように大変多くな多くの仕事がデジタルの登場によりその役目が大きく変わり様々な業界でルールチェンジが起きています。
ここからさらに成長を描く経営者にとって、このデジタルトランスフォーメーション(DX)は無視できない時代の大きな変革課題となっています。
コロナの影響もあってお客様と対面で打ち合わせがしづらくなっている昨今、Zoomなどのウェブ会議システムを使っている人も多いと思います。
しかし、Zoomなどは個人のお客様やITに不慣れな年配の社長さんと打ち合わせするにはどうしてもID登録やアプリのインストールで不便をおかけしてしまい、なかなか使えないという声も多くお聞きします。
今回新たに日本でも導入されたFacebookの「Messenger Rooms」を使えばこの課題が解決できるのではないかと思います。
「Messenger Rooms」の使い方
PCのブラウザははまだChromeにしか対応していないようです。
Messengerを立ち上げて、左上の①のボタンを押します。
そうすると「Messenger Rooms」が立ちあがりますので、②のボタンを押します。
いきなりビデオに自分の姿が出てびっくりしますが、まだ相手には何も見えていないので安心してください。
次に相手に見てもらうやり方ですが、③のボタンを押すと上記のような画面になるので、④の「ルームをロック」にチェックを入れて、⑤の招待用のURLを相手に送ってください。
送り方はメールやLINEなどなんでもOKです。
これで招待は終了です。
相手側の応対方法
次に相手側の応対方法です。
私の場合はスマホでやってみました。
送ってもらったURLをクリックするとこのような画面になるので、「リンクをコピー」をクリックします。
そうすると、リンクがコピーされた状態になります。
コピーしたURLをサファリ(ブラウザ)の⑥の位置にペースト(貼り付け)します。
そうすると上記のような画面になるので、⑦に任意のお名前を入れてください。
その後一番下の「ゲストとして参加」を押します。
そうすると、ビデオ通話が開始されます。
私の場合、PCとスマホで一人2役でやっているので、こんな感じになりました。
お恥ずかしい・・・
これでビデオ通話としては完了です。
画面共有のやり方
お仕事で使う場合、画面共有も使用されると思います。
再び、PCのホスト側(招待した側)の画面に戻りますが、下の方に⑧の「画面を共有」のボタンがありますので押してください。
そうするとこんな画面になりますので、共有したい画面を選択してください。
ブラウザの画面の場合選択肢に出てこないことがあるようなので、その場合は⑨の「Chromeタブ」から選ぶと良いと思います。
再び相手側のスマホ画面ですが、相手にはこのように見えています。
このように、ブラウザでホームページを見ながら話をするのはもちろん、PDF資料やパワーポイントなども画面共有して使うことができます。
以上です。
テレビ電話で画面共有はLINEでもZoomでもできるのですが、「相手にアプリのインストールが不要」というのがMessenger Roomsの最大のメリットではないかと思いますから、ぜひ使ってみてください。
【ご注意点】
これは私が使用してみての感想を元に記事をアップしています。
Messenger Roomsのセキュリティ上、その他の課題については検証はできませんので、自己の責任においてご活用ください。
コロナの影響もあって新規事業を検討したり、事業や販売商品のシフトを考えたりされる方も多いと思います。
「変わらなきゃ」とお考えの全ての経営者様にイノベーションの考え方についてお話をさせていただきました。