ネット時代の〈新〉マーケティング:小売業・卸売業 編

今日から新たに「ネット時代の〈新〉マーケティング」の連載を始めます。

インターネットや5G、AI、IoTといった新しい時代(情報革命時代と呼んでいます)において、あらゆる産業で変革の波が押し寄せています。
その中でも今回は特にネットの登場で各業種がどういった変化を遂げる必要があるのかを考えていきたいと思います。

最初は小売業・卸売業です。


商圏の垣根がなくなり最も競争が激化した業界
アマゾンエフェクトという言葉も登場


●機会

  • 特徴ある商品なら全国に売れるように

全国の見込み客にネットで販売できるようになったのは最大の恩恵です。
いままで地元の商圏では小さすぎて思うように売れなかったものも、全国・全世界への販売が少しのコストで可能になります。
また、本当に価値の高いお店であれば大手ショッピングモールに出店しなくても、路地裏の店舗であっても、ユーザーの方から探し当ててきてくれるのがインターネットを使ったマーケティングです。

●脅威

  • アマゾンなど大手ネットショップの台頭
  • 競合の爆発的増加
  • メーカーの直販化

自社が全国に売れるようになったということは、競合も既存の商圏の垣根を越えてやってくるということです。特にアマゾンや楽天などの世界的企業とも戦わなくてはなりません。
そうなると仕入れ品や他社でも扱っているような商品を販売してる以上、常にネット上の最安値と比較されます。

また、こういった状況になるとメーカーが直販を始めます。
卸売りや小売りとの関係性を考える会社もありますが、背に腹は代えられないと考えるメーカーも多くなるでしょう。
すでにEC化率の高いパソコン関連商品や文房具業界ではメーカー直販は当たり前になっています。
こうなると、小売店は価格的にもサービス的にもメーカー直販には勝てません。

●対策

  • 独自商品を開発するか、オンリーワンサービスをつくるか
  • 小売業からサービス業やコンサル業への転換が必要(モノ消費からコト消費へ)
  • 全国展開を行うならスーパーニッチなニーズに対応を

対策としてはやはり優位性のある独自の商品を開発するか、オンリーワンのサービスを開発するしか道は有りません。決して簡単ではありませんが、チャレンジするしか道はないと思います。

また単にモノを売るだけならネットショップに優位性がありますが、ユーザーの本質的に求めるニーズレベルの需要を掘り起こし、その需要に適した商品を提案するのは実店舗に優位性があります。
ただ、実際に手に触れ、使い勝手を試せるのが実店舗の良さですが、それでも実物は店舗で見て、買うのはネットでというユーザーも一定数います。
そこで必要なのはサービスの開発です。
金額はネットの方が安いけど、店舗で買った方が良いと思わせるようなサービスがあれば、そこで選んでくれるユーザーは多いでしょう。
これからの小売業はサービス業やコンサル業になっていかなければなりません。

それでもネット販売に打って出ようとお考えの方は、スーパーニッチな需要に対応する商品・サービスをお勧めします。
一般では受け入れられないようなスーパーニッチであっても、全国で見れば一定数の需要があります。
岡山市で1%のシェアをとるよりも、全国で0.01%をとるくらいの気持ちで挑みましょう。


ページ
上部へ