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DXの本質

一般的にDXというと自社の業務をデジタル化したり効率化するツールを導入することのように言われることが多いようです。
もちろんこれは必要なことですが、私はこれだけでは不十分だと考えています。

それは、お客様・競合・商品などの自社の商売に影響を与える世の中全体のデジタル化で自社がどのような影響を受けるかを考える必要があるからです。

お客様がデジタルを活用し、DX時代の新しい競合が爆発的に増え、商品自体も大きく変化していく世の中において、自社の業務だけをデジタル化しても効果は限定的です。
それよりも、もっと根本的な提供価値を見直し、デジタル社会において必要とされる商品やサービスにシフトしていく必要があります。



この辺りは動画でも解説していますので、よろしければご覧ください。


お客の行動変化への対応と新しい競合



例えはカーテンを販売している小売店の場合、インターネットができる前の消費者はまず近くのカーテン屋さんや家具店に足を運びその中から好みのカーテンを選んでいました。
ですからお店にとって重要なのはユーザーに来てもらいやすいことであり、大きな看板や大通りに面した立地がとても大切でした。

しかしインターネットの登場でユーザーは情報を手に入れ、より細かい自分の好みや使い方にマッチした商品を探せるようになり、それを買うことの出来るお店に足を運んだりネットショップで購入したりするようになりました。

お店にとっては今までの商圏という垣根を越えて全国のカーテン店やアマゾンなどの世界的な企業が新しい競合になります。

ですからDXの時代に重要なのは、今扱っている商品をそのままネットで紹介したり集客したりするのではなく、ユーザーの細かいニーズに合った商品構成やオンリーワンのサービスの提供など、提供価値の再定義や創造が必要になります。

これは小売店だけでなく、生命保険や不動産会社、旅行会社など様々な流通・サービス業に言えることです。



これはBtoBのお仕事に関しても同じで、広告や印刷、ユニフォーム購入、仕入れ先の開拓、事務機販売など特にインターネットの情報と親和性の高いご商売をされている方はDXによってユーザーの消費行動がどのように変化しているか、どのような競合が発生しているかを見極め、提供価値自体の見直しを行っていく必要があります。

商品や産業構造のデジタル変革

インターネットと親和性の低いBtoBの業界であっても、DXによる商品や産業構造のデジタル変革への対応は急務の課題です。
例えば、自動車産業です。
ガソリンエンジンがこれからEV(電気自動車)になり、自動運転やシェアリングが当たり前になってくるようになると、従来のガソリンエンジンを製造していた会社やそれに伴う部品の製造・販売を行っている会社、自動車整備を行っている会社は例外なく影響を受けます。

また、土木や建築の業界であれば慢性的な人手不足をDXで解決できる可能性はありますし、おそらくインフラなどの公共投資もハードからソフトへ移行していきますから公共事業の量が減る可能性もあります。

このようにDXに関係のない業種はないと言っても過言ではありません。
これからのデジタル変革の時代にどのように対応し、戦略を見直していくのかがとても重要になります。

DXに必要なこと

上記のようにDXを進めていくには、提供価値の再定義や創造、つまり新しい「選ばれる理由」が必要です。
これを作り上げていくには次の3つが重要になります。

  • 新しい戦略
  • 戦略をつくる思考方法
  • それを考え実行する組織

①新しい戦略

前述の通り、DX対応の本質は提供価値の再定義・創造です。
デジタルによって変容したユーザーの行動への対応や、従来の商圏という垣根を超えた新しい競合、市場の常識を破壊するプラットフォーマーに立ち向かうため、戦略から見直していく必要があります。

②戦略をつくる思考方法

DXに対応するためには、それにあった考え方・思考方法が必要です。
「ネットを使って何かやれ!」と経営者が抽象的な指示をしても、社員は何から手を付けたらいいのか分かりません。
DXには提供価値の見直しと競合優位性の創造が大変重要で、私たちはAB3C分析というDXの時代に合った手法を用いてそれを作り上げていきます。

③それを考え実行する組織

どんなに良い戦略も現場の社員がそれを理解して主体的に動かなければDXは進みません。
社員数名の会社ならトップダウン式でどうにかなるかもしれませんが、人数の多い会社になればなるほど、ボトムアップ式にそれをつくりあげる主体的な組織が必要になってきます。

私たちはこの3つの要素を考え作り上げていくための、DX思考育成プログラムを提供しています。


DX思考育成プログラム



少し前の話になりますが、備商株式会社様にお伺いし営業マン向けのイノベーションとDXの講習&ワークショップを行いました。

同社は産業機械の商社でありエンジニアリング会社でもあるため、様々な技能を持った営業スタッフがおられます。
このような工業の業界は一見DXとは無縁と思わるかもしれませんが、産業機械におけるIoTやロボティクスも徐々に進んできていて、生産性の向上と慢性的な人手不足を背景にDXが進んできている業界です。

また、自動車産業やエネルギー産業など産業構造自体がDXによって変革しているお客様も多く、自社を取り巻く環境の大きな変化に対応していこうとされています。

最初は半信半疑だった皆さんもすぐに必要性と可能性を感じられ、本当に熱心に取り組んでいただけました。

今回の研修では約40名の社員さんに対して、全体で考えていただくもの、部署で考えてもらうもの、チームで取り組んでもらうものと分けて、DXやイノベーションの基礎知識から、実際に自社の新しい戦略を検討する段階までシリーズで行っていきました。

アンケートを見ても、段々と順を追うごとに参加者の熱量があがっていることを感じられ、とてもいい研修ができたと思います。

次年度からはさらに自社の「選ばれる理由」を強くしていくための研修を行っていきます。

社員さんの成長が会社の成長に直結し、新しい時代へチャレンジを続けている備商さんに今後もご注目ください。





先日あすなろコーポレーション様におじゃまして、これからのDXへの対応とイノベーションに向けた研修を行わせていただきました。

同社は住宅などの内装工事やインテリア・カーテンの販売を行っている企業ですが、施工スタッフ、インテリアスタッフから総務部長まで社員総出で、業界のデジタル変革への対応と新しい提供価値の創造についてみんなでディスカッションしました。

とはいえ、いきなりDXやイノベーションの話をしても聞きなれない言葉の連続ですし、なかなかピンときません。

そこで今回の研修では「消費者の目線でDXとイノベーションを考える」というやり方をしました。

「家がもしロボットだったら?」というお題で住宅のIoTについて考え、「自動車を買う本当の理由は?」というお題で、ベネフィットからイノベーションの種を探すというようなやり方です。

終始、真剣かつとても楽しく取り組んでいただけました。

別室で見守っていた社長からは、「ずっとみんなの楽しそうな声が聞こえてうれしかった。」とコメントをいただきました。

これをきっかけに、自社のDXとイノベーションを考える良い転機になっていただけると幸いです。



先日、所属する某経済団体で先輩が言っていたお話しです。
トヨタ自動車はこれから電気自動車が主軸になる世の中で、ハイブリッド車から抜け出せないのは、ガソリンエンジン製造の関係会社があまりにも多いから。
下請け、孫請け、部品製造の会社も含めると自動車産業というのは国内屈指のすそ野の広さを持つ産業。
分かっていてもやめられない。
変わらないといけないのは分かっているけど、変われない。。。

自動車産業のDXが進んでいることはこれまで私もいろいろなところでお話ししていると思います。
ガソリンエンジンがモーターになれば、その部品点数は大幅に減り、それに携わる企業はその影響をもろに受けます。
また特別なテクノロジーを持つ新規参入者が増えつつ、パーツを組み立てるだけで出来上がるようなパソコン市場のようになるでしょう。
私の住んでいる岡山県も三菱自工の工場があることもあって、とても自動車関連工業の多い地域柄ですからその影響は必至です。

また、自動運転が本格化すれば、運転免許の教習所や自動車保険はその存在価値を問われますし、カーシェアリングが広がれば、カーディーラーも厳しくなってくるでしょう。
岡山ではどのトヨタ自動車のディーラーに行っても全車種を購入できるようになりました。
これはこのDXによる大変革をにらんでの準備がすでに始まっているということだと思います。

そのような中でも、例えば損保ジャパンなどではこれからの自動車保険のあり方などをすでに検討されているようですし、ある自動車教習所では産業用ドローンの教習を始めるなど、自動車関連の周辺業界のDX対応は各社進んできています。

ただ、前述のトヨタ自動車のように、おそらく大企業ほどこのイノベーションのジレンマに陥り、変革のスピードを早めることができないのではないかと思います。
DXやイノベーションというのは個人の勝手ではできないからこそ難しい。

それでも私たち中小企業者は、経営者の覚悟一つで変革のスピードを早められる柔軟性を持っています。
DXを進めるうえで必要なことはこの「覚悟」に加えて3つ。

①新しい時代にあった提供価値の変革である「新戦略」
②どのようにそれを順序だてて体系的に進めるかという「システム」
③最後にそれを考え行動に移す「組織」

唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者です。
変化を恐れず、前進していきましょう!


デジタルトランスフォーメーション(DX)についてわかりやすい初心者向けの解説動画を作りました。

①デジタルトランスフォーメーション(DX)とは


②経済産業省も懸念している日本のDXの遅れ


③攻めのDXと守りのDX ① 営業現場のDX編


④攻めのDXと守りのDX ② 生産性向上編


⑤各業界のDX


⑥中小企業のDXの本質



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